織田信長の思考法
新 刊
  • 織田信長の思考法 

  • 人物伝 1,300(定価) 著者 近藤 精一郎
  • 初電子書籍化 書籍データ
  • 戦国末期、真っ先に天下統一の旗印を掲げて乱世をひた走り、華々しく立ち回りながら、最も危険な茨の道をたどった信長の生涯はピンチの連続だった。短気で癇癪持ちだと言われる信長が、実は辛抱強い人物であり、猪突猛進型人間ように見えて、極めて緻密な計画性の持ち主であったという、知られざる信長像を描く。


目次

序 章 しがらみからの脱出

四囲の敵への示威行為が「大うつけ」の噂を生んだ
老臣を諫死に追いやった反抗心が成長の糧となった
尾張平定に見せた強かさが茨の道を走らせた
天下取りへの大望を初上洛の前途に賭けた
現代との接点――義理と人情だけでは通用せぬ

第一章 即決の勝機を逃さず

勝算のない無駄な悪あがきをするな
「蟷螂之斧」の理に背かぬ策をとれ
敵方の慢心と油断につけ込んで本陣だけを狙い撃て
乾坤一擲の知略と決断で奇跡を呼べ
現代との接点――桶狭間の戦いは計算し尽くしたうえの勝利

第二章 満を持して忍耐に徹する

美濃出兵で舐めた再三再四の敗戦の苦渋
墨俣の攻防と一夜城の巧妙なトリック
孫子の兵法に則る遠交近攻への脚固め
調略と辛抱強さで克ち取った成果
現代との接点――耐えることもまた人間の器量を大きくする

第三章 二枚の切り札を使い分ける

「天下布武」の錦の御旗を掲げて起つ
力ずくの上洛にも将軍供奉の筋を通す
「殿中御掟」の制定と「二条城」築城に暗雲きざす
地位やポストにこだわらず実益のみを手中に収める
現代との接点――切り札を手にしていることで自信が持てる

第四章 因縁の対決に賭ける

朝倉攻めの口実が浅井の予期せぬ離反を招いた
姉川の合戦にその変わり身の素早さを見せた
伊勢長島の敗退が叡山焼き打ちの業火を呼んだ
「異見十七ヶ条」を掲げて将軍追放の罠を仕掛けた
現代との接点――人間一生に一度や二度は正念場に立つことがある

第五章 まさかの事態を想定する

三方ヶ原の惨敗の試練を発奮への起爆剤として
逆転への発想は情報収集による素早い対処から
縁故と義理の狭間に迷わぬ断固たる決断を
撫切り・根切り・焼き殺しを目には目をの報復手段に
現代との接点――あくまでも立ち上がって戦うことが幸運を呼ぶ

第六章 先を読む眼を誤たず

新戦術創造の才智を戦後の施策にも生かし続けた
無敵の騎馬軍団壊滅への陥葬を探りあてた
一揆への積年のしこりが南蛮贔屓への傾斜を深めた
安土築城は奇抜と奇智の集大成だけが目的ではなかった
現代との接点――常に何かを求める好奇心を持て

第七章 勝利への教訓を生かす

組織と団結の固さがあってこそ真の強さが生まれる
戦に敗れることで相手の弱点を見抜くこともできる
新たな発想には躊躇せずに手をつけてみる
大胆さと徽密さがあってこそ真の勝利が得られる
現代との接点――大胆さと織密さが勝利への鍵

第八章 四面楚歌をもあえて恐れず

一遍の無理が百遍の道理を覆した失態の不覚
裏切りと変節の倫理を押し通した梟雄の爆死
最大のピンチを救ったライバルの死への追悼の挽歌
大目標のために切り捨てられたトカゲの尾
現代との接点――時にはトカゲの尾を切るように見捨てねばならぬこともある

第九章 計算ずくめの戦略

噂の甲鉄船が示した戦果と海上救援路の封鎖
観艦式の威容と水軍再決戦に見せた実力
相つぐ反逆に対応した的確なアメとムチ
見せしめの処刑が露呈させた狂気と盲目
現代との接点――勝つためにも生き残るためにも計算ずくめの戦略が必要

第十章 獅子身中の虫を斬る

和睦と退去からひき起こされた石山本願寺の炎上
宿老断罪によって断行した人事の刷新
「京都馬揃え」という名の観兵式の絢爛たる示威
目的達成のためにあえて用いた「渇え殺し」の地獄絵図
現代との接点――人間は論功行賞でやる気が起こる

第十一章 攻むるもよし退くもまたよし

一気の攻めが伊賀忍者という難敵を裁いた
家臣と領民の不信の蓄積が天目山の最期をもたらした
平定視察によって「天下布武」の進捗を誇示した
水攻めは、難敵籠城軍への唯一の奇想天外な戦術だった
現代との接点――失敗を知らぬ人間より失敗を恐れぬ人間になれ

終 章 自己過信が挫折を招く

中国攻めへの任務替えをなぜ接待役罷免と受けとったのか
斬り取り次第の真意をつかみ切れずに迷いに迷ったのは何故か
本能寺襲撃決行の断はいつどこで下したのか
安国寺恵理は真に「本能寺の変」を予知していたのか
現代との接点――意思の疎通を欠くことほど人間にとって不幸なことはない